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「一般葬」と「家族葬」の違いとは?メリット・デメリットについて
更新日:2024年06月23日
その他
「一般葬」と「家族葬」の違いをご存知でしょうか。昨今では、生活様式や時代の変化に伴って、これまで主流だった「一般葬」だけでなく「家族葬」という形の葬儀を選ぶ方も増えています。
親戚を始め友人・知人、職場関係、ご近所の方まで、多くの方を招いて大々的に行う一般葬に対し、家族葬とは参列者を限定して行う小規模なお葬式のことを指します。
葬儀の形が多様化する中で、見送る側の立場としてどのような葬儀を選ぶべきか、迷われている方も多いのではないでしょうか。
この記事では「一般葬」と「家族葬」の具体的な違いや、それぞれのメリットとデメリットを詳しく解説していきます。
この記事でわかること
目次
一般葬と家族葬の違いとは?
まず始めに家族葬と一般葬の、参列者、日程、香典、費用について、それぞれを比較しながら具体的な違いをご紹介していきます。
(1)一般葬と家族葬の「参列者」について
《一般葬の場合》
一般葬は、古くから伝わる伝統的な葬儀の形式です。遺族や親戚を始め、友人知人、職場関係、所属団体の関係者、ご近所の方など、故人と関わりのあった方々に広く呼びかけ参列してもらいます。そのため、参列者は50名を超えるケースが多く見られます。
《家族葬の場合》
家族葬は、遺族や親族を中心とした、故人と深く関わりのある限られた人達で執り行う小規模な葬儀です。「家族葬」と言っても、参列者は家族だけとは限りません。どこまでの方が参列するのかは遺族の意向によるため、親族以外にもごく親しい友人などが参列する場合もあります。参列者は10名〜30名程度になるのが一般的です。
(2)一般葬と家族葬の「日程」について
《一般葬の場合》
一般葬の基本的な日程は、亡くなった翌日の夕方から通夜を営み、その翌日に告別式・葬儀となります。また多くの場合、参列者の方には料理が振舞われます。通夜の後に振舞われる料理を「通夜振る舞い」、葬儀の後に振舞われる料理を「精進落とし」と呼びます。
《家族葬の場合》
日程に関しては、家族葬であっても一般葬の場合と大きな違いはありません。ただし、身内のみが集まる小規模な葬儀になることから、会食や返礼品を省略したり簡素化するケースもあります。
また、通夜を行わずに告別式と火葬のみを行うことを「一日葬」、火葬のみを行うことを「直葬」と呼びます。一日葬や直葬の場合であっても、亡くなってから24時間以内に火葬を行うことは、法律で禁止されています。
(3)一般葬と家族葬の「費用」について
《一般葬の場合》
一般葬にかかる費用の全国的な相場は100~120万円ほどと言われていますが、行われる地域や会場のグレード、参列者の人数などによっても、その費用は大きく異なります。ただし家族葬に比べると社会的な義式としての役割が強く、しきたりや風習を重んじることから、結果的に費用が高額になるケースが多くなります。
《家族葬の場合》
家族葬にかかる費用の全国的な相場は80~100万円ほどといわれています。やはり会場のグレードや会食の有無によっても異なりますが、身内のみの小規模な葬儀のため、一般葬と比べて費用を抑えることが容易になります。
(4)一般葬と家族葬の「香典」について
《一般葬の場合》
一般葬では、基本的に参列者の方から香典を受け取ります。香典を頂いた方へは香典返しの品を渡すのがマナーです。香典返しは四十九日法事の後に、挨拶状と合わせて送ります。また、一部の地域では葬儀当日に「即日返し」としてお渡しする場合もあります。
《家族葬の場合》
身内のみで行う家族葬の場合、香典を辞退するケースも多く見られます。供物や供花を受け付けるかについても、遺族の意向によって異なります。四十九日法要の後は挨拶状のみを送るか、挨拶状自体を省略することもあります。
一般葬・家族葬の「メリット」と「デメリット」
より良い葬儀を実現するためには、それぞれの「メリット」と「デメリット」をしっかりと理解しておく必要あります。ここでは、一般葬と家族葬、それぞれのメリットとデメリットについてまとめてみました。
(1)一般葬のメリットについて
■多くの方々と共に故人を見送ることができる
一般葬では、ご縁のあった多くの方々と共に故人を偲び、見送ることができます。また、励ましの言葉を頂いたり、参列者から語られる思い出話を通じて、故人の新たな一面や人柄を知ることができます。
■ご縁のあった方々に直接感謝の気持ちを伝えることができる
一般葬では、普段は関わることがない故人の職場関係者など、お世話になった方々に、感謝の気持ちやお別れの言葉を直接伝えることができます。
■葬儀後の個別の弔問対応の負担を抑えることができる
一般葬は、葬儀当日に多くの方々とのお別れができる儀式です。葬儀後に個別に弔問客が訪れる可能性が減り、その都度対応する負担を抑えることができます。
(2)一般葬のデメリットについて
■家族葬に比べて費用が高額になる可能性がある
親族だけでなく、故人の職場関係者などを含めて多くの参列者が集う一般葬では、一定以上の会場の規模が必要となります。加えて参列者分の料理や香典返しを準備する必要があります。その分、やはり小規模な家族葬に比べると費用がかさむ傾向にあります。一般葬を検討する際は、葬儀の基本料金だけでなく、追加でかかるオプション費用なども含めた見積もり額をしっかりと確認しておきましょう。事前にホームページなどで複数の葬儀社の料金を比べ、料金相場を把握しておくことも大切です。
■家族葬に比べて準備の負担が大きい
一般葬は家族葬に比べ社会的な儀式としての側面が強いことから、しきたりや風習を重んじることが求められます。そのため、ある程度自由が効く家族葬に比べると準備の負担は大きくなります。参列者が多岐に渡る一般葬では、予め参列者の連絡先リストを用意したり、会食に参加する人数を把握しておく必要があります。また、葬儀後は香典返しや挨拶状などの手配が必要です。とは言え、葬儀の段取りに関しては葬儀社がサポートしてくれます。葬儀社のスタッフや周囲に相談しながら、ひとつひとつこなしていきましょう。
(3)家族葬のメリットについて
■故人との最期の時間を余裕を持って過ごすことができる
家族葬では、大勢の参列者への対応に追われる必要がありません。周囲に気を遣うことなく、家族や親しい友人と共に、故人との最期のひとときを余裕を持って過ごすことができます。
■一般葬に比べて費用が抑えやすい
家族葬は身内のみの小規模な葬儀のため、一般葬と比べて費用を抑えることが容易になります。ただし、その分頂く香典の金額も少なくなるため、結果的に一般葬よりも費用がかかる可能性もあるので注意が必要です。葬儀の費用を比較する際は、香典の有無などを含めた総額で検討しましょう。
■一般葬に比べて準備の負担が小さい
家族葬では、会食や返礼品を省略したり簡素化することも多く、大勢の参列者を迎える一般葬に比べて各種準備にかかる負担が小さい傾向にあります。また、香典を辞退する場合は、香典返しなどの準備に追われることもありません。
■形式にとらわれない柔軟な葬儀が実現しやすい
地域の繋がりの希薄化や、核家族化が進む現代では、宗教や形式にとらわれない自由な葬儀の形も増えています。身内のみが参列する小規模な家族葬では、故人や遺族の希望を反映させた柔軟な葬儀が実現しやすいと言えます。
■新型コロナウイルスなどの感染拡大リスクを最小限に抑えることができる
お年寄りから小さな子供まで多くの方が集い、大人数での会食を伴う葬儀の場では、新型コロナウイルスなどの感染拡大リスクが伴う危険性があります。もちろんコロナ禍では、多くの葬儀場で徹底した感染対策が講じられていますが、少人数での家族葬や、会食を省略した小規模な葬儀では、より感染拡大リスクを抑えることができます。
(4)家族葬のデメリットについて
■一般葬より香典の総額が少額になる
家族葬の場合、香典を辞退するケースが多くあります。また、香典をいただく場合であっても、参列者が限られることから一般葬に比べて香典の総額が少ないため、葬儀費用をまかなえない可能性があります。
■家族葬を行うことを理解されない場合がある
特に伝統やしきたりを重んじる方の中には、家族葬を行うことに抵抗をもたれる方もいます。また、お世話になった方々を招かずに、身内のみで葬儀を行うことに反対される可能性も考えられます。家族葬を行う場合は、誤解を招かないように故人や遺族の意向を伝える必要があります。
■葬儀に参列できなかった方とトラブルになる可能性がある
「家族葬のため一般の参列は控えて欲しい」と案内をしていても、葬儀当日に予想外の参列者が訪れることがあります。そのような自体を避けるため、行き違いのないよう確実に周知させる必要があります。加えて、香典や供花を辞退する場合も、その旨を事前にきちんとお伝えしておきましょう。香典を受け取った場合は、葬儀後にあらためて香典返しを送りましょう。
■葬儀後の弔問客の対応に追われる可能性がある
葬儀に参列できなかった方が、後日あらためて自宅に弔問に訪れることがあります。葬儀直後は、多くの手続きなどで慌ただしくなる可能性があります。弔問を受ける場合は、無理のないスケジュールを具体的にお伝えしましょう。
まとめ
生活様式や環境が大きく変わりつつある昨今では、様々な葬儀の形が受け入れられ始めています。ただし伝統的な一般葬に比べると、家族葬はまだまだ新しい葬儀の形と言えます。そのため、遺族間や参列者との認識の違いなどから、トラブルに発展する可能性も考えられます。
一般葬と家族葬、それぞれの違いや「メリット」と「デメリット」をしっかりと理解した上で、周囲への配慮を忘れずに後悔のない葬儀に繋げましょう。
記事監修者
株式会社京花代表の石野 泰弘。京花は板橋区を中心に、1都3県を中心に活動している葬儀社です。
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