お役立ちコラム
葬儀の案内状の例文や書き方を紹介
更新日:2024年06月23日
葬儀マナー
この記事でわかること
葬儀の案内状は4種類
葬儀の案内状は大きく分けて次の4種類があります。
- 訃報を知らせるもの
- 葬儀参列者へのお礼状
- 葬儀後の報告(葬儀を行ったことを知らせる目的)
- 法要の案内
1. 故人の訃報を知らせるもの(訃報)
葬儀の日程などをすぐに知らせる必要があるため、郵送よりもFAXや電話で行うのが一般的です。
葬儀社が作成するケースがほとんどです。
2. 葬儀に参列した方と香典や供花をくださったことへのお礼状
参列はなくても香典を送ってくださった方へは香典返し、供花・供物・弔電を送ってくださった方へはお礼状を送ります。
3. 葬儀を行ったことの案内状
家族葬など故人の家族や親族、またはとくに親しかった人などだけで葬儀を行うケースも増えています。
その場合は故人が亡くなり、葬儀を行ったことを知らせる案内状を送る必要があります。ハガキまたは封書を郵送します。
また、わざわざ案内状を送るほどではなくても、年賀状のやり取りを続けているといった関係の人には、喪中はがきをもってこれに代えるケースもあります。
4. 法要についての案内状
四十九日法要や一周忌などに呼ぶ方へ送る案内状です。法要の日時や場所を明記します。
葬儀の案内状を書くときの7つのポイント
葬儀の案内状を書く際に気をつけるべきポイントは次の7つです。
1. 句読点はつけない
葬儀の案内状には句読点をつけません。その理由は3つあります。
1つ目は、句読点は本来文章を読みやすくするためのものです。葬儀の案内状など相手を尊重し、こちら側から案内やお礼を差し上げるものに対して句読点を使うのは失礼なことと考えられています。
2つ目は、句読点は「句切り」を示すものですから、滞りなく行われるべき葬儀の案内状には望ましくないという考え方もあります。
これは結婚式に関する案内状にもあてはまります。
3つ目は、昔の毛筆の習慣が残っているためです。筆書きは間をあけて文章を読みやすく書くため、句読点は使いません。そのため正式な案内状にも使わないという考え方があります。
基本的に葬儀の案内状には「。」や「、」などをつけないのがマナーとされていますが、最近では読みやすさを重要視して句読点をつけたほうがいいと考える人も増えてきています。
2. 案内状を郵送する場合は縦書きが基本
訃報を知らせる場合はメールやSNSなどが使われるため、横書きが基本です。しかし、葬儀後の案内状やお礼状はハガキまたは封書で行います。
葬儀への参列や生前のご厚情に対するお礼となるものですから、縦書きが基本です。最近は横書きの案内状も見かけますが、葬儀や法事などの案内は縦書きにした方が無難です。日時などの数字は漢数字を用いましょう。
3. 故人が逝去した日時は元号で記載する
葬儀関連の案内状では、故人が逝去した日付を書くことが必須です。そのときに注意したいのが、西暦ではなく元号で書くことです。
たとえば、西暦2020年は令和2年と記載します。
4. 遺族はお悔やみの言葉を使用しない
参列者からお悔やみのメールをいただくことはありますが、遺族側からの案内状にはお悔やみの言葉など感情を入れたものは含まず、事実のみ記載しましょう。
5. 香典や供花などを固辞する場合はその旨を案内状に明記する
香典返しの用意を予定していない場合や家族葬など、香典を固辞する場合はその旨を案内状に明記する必要があります。
一般的に会葬される方は香典を持ってこられるため、供花や供物も同様に辞退したい場合は必ず案内状にその旨を明記しましょう。
6. 忌み言葉を避ける
案内状の文章中に忌み言葉が入らないように注意が必要です。忌み言葉とは、不幸や不吉の繰り返しを連想させるような言葉を指します。
葬儀や法要などの弔事では使用を避けましょう。
不幸や不吉を連想させる言葉 | 浮かばれない、迷う、死ぬ、苦しむ、数字の4(四)と9(九) など |
続くことを連想させる言葉 | たびたび、再三、しばしば、続いて、くれぐれも、また、いよいよ、ますます、追って など |
また「生きる」も生死をダイレクトに表現するため、使用を避け「生前」「逝去」など別の言葉にいい換えましょう。
7. 「行年」と「享年」の違いに注意
故人が何歳で亡くなられたかを表すのに、行年と享年があります。
行年は故人が生きた年齢のことですから、「行年〇〇才」と書きます。
享年は生きた年月のことですから、「享年〇〇」と書きましょう。
本来、行年も享年も数え年(元旦になるごとに1つ年を取る数え方)でしたが、最近は満年齢を享年とするケースが一般的になっています。
【種類別】案内状の例文
葬儀の案内状の例文をご紹介いたします。
わかりやすくするために、次のような状況を想定しています。
- 故人名:〇〇 ××(女性)
- 行年:95歳
- 喪主:故人の息子(長男)
- 亡くなった日時:令和2年6月28日 午前10時39分
- 通夜の場所と日時:△△斎場 令和2年6月29日 午後8時から
- 葬儀・告別式の場所と日時:通夜と同会場 令和2年6月30日午前11時から
- 故人の死因:病気で療養中に死亡
- 故人の宗教:浄土真宗
縦書きにすべき案内状の例文では数字は漢数字を使用しています。
訃報を知らせる例文
ここでは訃報を知らせる一般的な例文、家族葬の例文、会社葬の例文をご紹介します。
使用する言葉がそれぞれ異なりますので、注意して作成しましょう。
<一般的な訃報の4つの例文>
ここでは家族葬や会社葬など以外の、一般的な訃報の例文を4つご紹介いたします。
ーーーーーーーーーー
母 〇〇××は かねてより病気を患い療養しておりましたが 令和2年6月28日午前10時39分永眠いたしました
生前のご厚誼に感謝申し上げますとともに謹んで通知申し上げます
通夜及び葬式・告別式は以下の通り行います
通夜 令和2年6月29日20時より
葬式・告別式 令和2年6月30日11時より
会場 △△斎場
住所 (△△斎場の住所及び電話番号を記載)
喪主 〇〇◇◇(続柄:長男)
連絡先 000-000-0000
仏式 浄土真宗
ーーーーーーーーーー
母 ××儀 病気療養中でございましたが
去る6月28日に永眠いたしました
ここに生前のご厚誼を感謝し謹んでご通知申し上げます
なお 葬儀告別式は左記の通り執り行います
一、日時 通夜式 6月29日 午後8時から
葬儀告別式 6月30日 午前11時から
一、式場 △△葬場
斎場の住所
電話 ○○‐○○○○‐○○○○
令和2年6月28日
〒000-0000
喪主の住所
喪主 ○○ ◇◇
ーーーーーーーーーー
母 〇〇××につきまして2020年6月28日永眠致しましたので謹んで皆様にお知らせ致します 故人に対する生前中のご厚誼に深く感謝申し上げます
尚 葬儀は下記の通り行います
通夜 6月29日 20時より
葬儀・告別式 6月30日 11時より
葬儀会場 △△斎場(住所 △△市~)
喪主 〇〇 ◇◇(長男)
2020年6月28日
〇〇 ◇◇
ーーーーーーーーーー
母 〇〇×× 儀(行年95歳)が6月28日逝去致しました
ここに生前のご厚誼を深く感謝申し上げ謹んでご通知いたします
通夜並びに告別式は 仏式 にて下記の通り執り行います
記
通 夜 令和2年6月29日20時00分~
場 所 △△斎場
(△△斎場の住所と電話番号)
告別式 令和2年6月30日11時00分~
場 所 △△会場
喪主 〇〇◇◇(長男)
住所〇〇〇〇〇〇〇〇
電話番号000-0000-0000
<家族葬の案内状例文>
家族葬の場合、参列していただく予定の方に対しては一般の葬儀と同じような文面で問題ありません。
ただし、香典や供物、供花を辞退することや、遺族・親族のみで家族葬を行う旨を付け加える必要があります。
以下の例文を参考にしてください。
ーーーーーーーーーー
謹啓
令和2年6月28日午前10時39分 母〇〇××が逝去いたしました
故人の遺志により 葬儀は遺族親族のみで執り行うことといたします
つきましては 故人の意向により 一般の方々のご参列はご辞退いただけますようよろしくお願い致します
ご香典 ご供花などのご厚情に関しましても固くご辞退申し上げます
生前のご厚情に深く御礼申し上げます
〇〇◇◇
謹白
ーーーーーーーーーー
<社葬の案内状例文>
社葬は、逝去から1ヵ月程後に行うケースがほとんどです。その間に遺族・親族で密葬が行われています。
会社として行う葬儀ですから、ビジネス的な言い回しが多用されます。故人との関係も続柄ではなく、役職を中心に案内文が作られます。
また、社葬は規模が大きくなるため、葬儀委員長などを立てるケースもあります。
ーーーーーーーーーー
令和〇年〇月〇日
株式会社□□□
△△〇〇様
株式会社〇〇〇
〒
〇〇〇〇〇〇〇
TEL
FAX
葬儀のご案内
弊社 代表取締役社長○○××儀 かねてより病気療養中のところ 令和2年6月28日午前10時39分 95歳にて逝去いたしました ここに生前のご厚誼に深く感謝し 謹んでご通知申し上げます
なお通夜並びに葬儀告仏式により下記の通り執り行います
記
通夜 令和2年6月29日20時より
葬式・告別式 令和2年6月30日11時より
会場 △△斎場
住所 (△△斎場の住所及び電話番号)
※付近に駐車場はございませんので公共交通機関をご利用ください(←駐車場がない場合)
仏式 浄土真宗
葬儀委員長 株式会社〇〇〇
〇〇〇(役職) 〇〇〇〇(名前)
喪主 子 〇〇◇◇
なお誠に勝手ながらご香典ご供花ご供物の儀は固くご辞退申し上げます
ーーーーーーーーーー
会葬礼状の例文
会葬礼状とは葬儀に参列していただいた方へ、参列のお礼と故人との生前の関わりについてのお礼を書いたものです。葬儀に参列してくださった際にお渡しします。
香典をいただいている方へは香典返しを行いますが、当日返しまたは、後日頂いた金額の3分の1~2分の1の金額の品物を送ります。
また、参列はないものの香典や供花・供物などを送ってくださった方に対してもお礼状を送る必要があります。
送るタイミングは弔開けしてから1ヵ月以内が基本です。
直接お会いして手渡す場合はお礼状が不要です。郵送の場合はハガキまたは封書をつけましょう。
ーーーーーーーーーー
亡母 〇〇×× 儀 葬儀に際しましては御多用中にも拘らず御会葬いただき 且つ御鄭重なる御厚志を賜り誠に有り難く厚く御礼申し上げます
尚 故人が生前に賜りました格別の御懇情に対しましても 茲に併せて厚く御礼申し上げます 早速拝趨の上御挨拶申し上げるのが本意でありますが略儀乍ら書中を以って御礼申し上げます
令和二年 六月二十九日 通夜
六月三十日 葬儀式告別式
(喪主住所)
喪主 〇〇◇◇
外 親戚一同
尚 本日何かと混雑に取り紛れ不行き届きの段 何卒御容赦下さいます様御願い申し上げます
ーーーーーーーーーー
葬儀後の報告と法事の案内状例文
葬儀を終えたことの報告と法事の案内状の例文を紹介します。
ハガキまたは封書で行うのが一般的です。法事のご案内は返信が必要ですから、封書に返信用のハガキ(切手を貼ったもの)を同封します。
喪主(施主)の住所・氏名・郵便番号を記し、氏名の下には「様」ではなく「行」とします。
<葬儀の報告ハガキの例文2つ>
葬儀を終えた日時と故人が生前に賜った厚意への感謝を書くことが一般的です。四十九日法要が終わった後に送るか、1年以内に納骨を済ませる場合は納骨が終わったタイミングでお知らせするケースがほとんどです。
年末に近ければ、喪中はがきをもって案内状の代わりにするというケースも珍しくありません。
葬儀を終えた案内状は、いつまでに送るという明確な決まりはないため、遺族がある程度落ち着いてから送るようにしましょう。
ーーーーーーーーーー
生前はご交誼を賜りありがとうございました
先般 母 ××儀 逝去いたしました
葬儀は去る六月三十日に滞りなく相済ませました
故人生前中はひとかたならぬご厚情にあずかり
まことにありがとうございました
ご厚意に深謝し謹んでご通知申し上げます
お知らせが遅くなりましたことを深くお詫び申し上げます
令和二年〇月〇日
(喪主住所)
(喪主の携帯番号←急な連絡用)
〇〇 ◇◇
ーーーーーーーーーー
母 〇〇×× 儀 かねてより入院療養中でしたが 去る六月二十八日 九十五歳にて永眠いたしました ここに故人が生前賜りましたご厚誼に対し厚く感謝申し上げます
尚、葬儀につきましては 故人の遺志により 近親者のみにて執り行いました 事後の御報告となりますが 略儀ながら謹んでご通知申し上げます
(喪主住所)
喪主 〇〇 ◇◇
外 親戚一同
ーーーーーーーーーー
<法事の案内状の例文2つ>
法事はもともと亡くなった日から7日ごとに行うものでしたが、近年では初七日と七七日(なななぬか=四十九日)の2回行うのが一般的です。
しかし、初七日は火葬当日にあわせて済ませるケースも増えています。
法事の案内状には何度目の年忌法要なのか、日時、時間などを記載します。また、返信期日も忘れずに記載しましょう。
法要の1ヵ月ほど前にはお知らせするのが一般的ですが、七周忌以降は2ヵ月前くらいにお知らせするケースもみられます。
ーーーーーーーーーー
謹 啓
皆様方には益々ご清祥のこととお喜び申し上げます
この度、左記に依りまして 亡 ××の
七七日方法を営みますのでご多用中誠に恐縮に存じますが
ご参列くださいますようご案内申し上げます
敬 具
記
一、日時 令和〇年〇月〇日(〇) 午前〇時より
一、場所 〇〇寺
(法事会場住所)
電話〇〇〇(〇〇〇)〇〇××
一、会食 〇〇亭 午後〇時〇分より
(会食会場住所)
令和〇年〇月〇日
(喪主住所)
〇〇◇◇
※お手数ながらご都合のほど〇月〇日までにご一報ください
ーーーーーーーーーー
謹啓
皆様方におかれましては益々御清祥のこととお慶び申し上げます この度 故〇〇××の一周忌法要を下記にて執り行います ご多用中誠に恐縮に存じますが皆様方のご参列賜りたくご案内申し上げます
敬具
記
日時 令和三年六月〇〇日 午前10時より
場所 〇〇苑(会場住所と電話番号)
法要後 同場所にて会食の御席を用意しております
令和三年五月三日
(施主住所と携帯番号)
施主 〇〇◇◇
お手数ながらご参列について五月三十一日までにご返信ください
ーーーーーーーーーー
以上、ぜひ参考にしてみてください。
記事監修者
株式会社京花代表の石野 泰弘。京花は板橋区を中心に、1都3県を中心に活動している葬儀社です。
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