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葬儀で失敗のないアクセサリーのマナーを紹介

更新日:2024年06月23日

葬儀のマナーについてはよくわからないという人も多いのではないでしょうか。

知らぬ間にマナー違反をしてしまい、恥をかくのは避けたいものです。
今回は葬儀に関するマナーの中で、アクセサリーについて詳しく解説していきましょう。

この記事でわかること

 

葬式にアクセサリーをつけて参列するのはマナー違反かどうかは喪服の様式で決まる

「葬式に参列する時は真珠のネックレスをつけるのが常識」

「故人の死を悼む場なのだから、アクセサリーは不要では?」

これはどちらも正解といえます。
葬式にアクセサリーをつけるのがマナーに沿っているか反しているかは、葬式に参列する際の喪服の様式によって変わるからです。

和装の喪服で参加する場合はアクセサリーが不要

和装の喪服を着る場合はアクセサリーを付けないのがマナーです。

もともと和装のアクセサリーは帯留めやかんざしくらいで、葬式のために特別なアクセサリーをつける必要がないと考えられていたからです。

また、日本では昔から故人の死を悼む場で身を飾る必要がない、すべて控えめにするべきという考え方が深く根付いているからでしょう。

既婚女性が歯に「お羽黒」を塗っていた時代、手間がかかるお歯黒をしっかり塗って葬式に出るなんて非常識だという考え方もあったくらいです。

和装の喪服で参列する場合、結婚指輪・婚約指輪に限り例外的に身に着けてもいいという考えられています。それも、きらびやかな宝石付きや光沢のあるものは、避けたほうがよいでしょう。

和装の場合、ピアスなど耳元のアクセサリーもNGです。身に着けると過度な装飾としてマナー違反になりますので、注意が必要です。

洋装の喪服の場合は真珠のネックレスをつけてこそコーディネートが完成する

正式な洋装の場合、男性のネクタイが不可欠なのと同様に、女性はジュエリーをつけるのが一般的なマナーとされています。ジュエリーなしでは正式なコーディネートは完成しないのです。

そのため、喪服でもアクセサリーをつけないのは、ドレスコード違反と見なされます。

葬式の場で真珠のネックレスを身に着けるのが一般的になったのは、英国のエリザベス現状王が国葬に参列した際に身に着けたことがきっかけでした。

真珠には「月の涙」「涙のしずく」とも呼ばれ、控えめなイメージから葬儀で身に着けるのにふさわしいと、弔事の真珠ネックレス着用が広まりました。

しかし、日本では弔事には何事も控えめにするべしという風習がありますから、必ずしも真珠のネックレスをつける必要はないという考え方もあります。

心配な時は親族や知人に相談し、服装を合わせるのがおすすめです。それでもよくわからない場合は真珠のネックレスをバッグに入れて参列し、周囲の様子を見て判断するといいでしょう。

<h2>真珠でも葬式にふさわしくないものもある</h2>

洋装の喪服の場合、真珠のネックレスを着用するのが一般的なマナーですが、どのような真珠でもOKというわけではありません。

ここからは葬式のマナーに合っている真珠とふさわしくないものについて解説していきます。

葬式にふさわしい真珠の色は白・グレー・黒

真珠のなかには、ピンクがかったものや、イエロー、グリーンなど色のついたものがあります。しかし、葬式にふさわしい真珠は白・グレー・黒の3色です。

それ以外の色の真珠を葬式で身に着けるのは、避けましょう。

葬式にふさわしいのは1重のネックレスのみ

真珠のネックレスには1重のものから2~3重のものがあります。しかし、葬式の場にふさわしいのは1重のネックレスだけです。

2重、3重のネックレスは「不幸が重なる」ことを連想させられるので避けるべきと考えられています。

また、1重ネックレスでも真珠が1粒だけのネックレスはおすすめしません。

質素に見えるしいいのでは?と思われがちですが、チェーンの金属のきらめきがふさわしくないと見なされる可能性があるため、避けた方が無難です。

真珠の球は真円に近く直径7~8㎜程度がおすすめ

ネックレスの真珠の形や大きさも重要です。

大きい球の真珠は華美に見えてしまうので、直径7~8mm程度のものがおすすめです。逆に小さすぎるとカジュアルな印象になってしまうので注意しましょう。

形は真円に近い形のものを選びましょう。バロック型など形が不揃いであるったりゆがんだものなどはファッション性が高くカジュアルな印象を与えてしまうためNGです。

真珠ネックレスの長さは40cm前後がおすすめ

1連ネックレスなら長さは自由というわけでもありません。

身に着ける人の体形によっても変わりますが、鎖骨あたりにネックレスがくる40cm前後のものを選びましょう。長すぎるネックレスは華やかなイメージが強調されるため、お悔やみの場にはふさわしくありません。

真珠の1連ネックレスは弔事だけではなく慶事でも身に着けられるジュエリーです。だらしがなく見えず、首が詰まって見えない38~42cmくらいの長さのものを1つ持っておくと便利ですよ。

ネックレスなら一連・ピアスなら一粒を選ぶ

真珠のネックレスを選ぶ際は、中粒で一連のタイプを選びましょう。また、ピアスやイヤリングで真珠を身につける際は、中粒を選ぶのがおすすめです。

真珠のネックレスは、二連では不幸が重なるされているため、避けるようにしましょう。

真珠以外で葬式に身に着けてもマナー違反にならない宝石

真珠以外で葬式で身に着けてもマナー違反にならない宝石としてジェット(和名は黒玉・こくぎょく)をおすすめします。

1861年に英国ヴィクトリア女王が夫を亡くしたときに身に着けたことから、故人をしのぶ装飾品として注目されるようになりました。

流木などの有機物が化石化したもので、英国王室や日本の皇室が使用するアクセサリーにも加工されています。また、数珠などの仏具などにも使われています。

ほかには、ブラックオニキスなどがモーニング(喪事)ジュエリーとされているため、葬式や法事の時に身に着けても問題ないでしょう。
しかし、中には輝きが強いため、故人の死を悼む葬式にふさわしくないという考える人もいます。

水晶のアクセサリーを葬式で身に着けるのはNG

葬式に参列する際、水晶の数珠を身に着ける人もいることから、水晶のアクセサリーなら葬式に身に着けても問題ないと思われがちです。

しかし、水晶のように輝きが強いものは葬式で身に着けるアクセサリーとしてはふさわしくありませんし、そもそも数珠とアクセサリーを同等に考えるのは避けるべきでしょう。

葬式にふさわしいアクセサリーについては「結婚指輪以外のアクセサリーは不要」「真珠ならば問題ない」「黒い石なら大丈夫」など人によって考え方はさまざまです。心配なときは、参列する他の人と合わせたほうが無難でしょう。

ネックレス以外で葬式で身に着けてもマナー違反にならないアクセサリー

葬式では、真珠やジェットなどのネックレスをつけてもマナー違反にならないことをご紹介しましたが、ここからはネックレス以外のアクセサリーについて解説します。

結婚指輪や婚約指輪はつけてOK

葬式にファッションとしての指輪や、光るようにカットされた宝石がついたもの身に着けるのは避けましょう。

葬式に着けて行っていいものは、真珠の指輪と結婚指輪や婚約指輪だけです。ただし、結婚指輪や婚約指輪でもデザインや材質によっては外していった方が無難なケースもあります。

表にまとめてみました。

 

つけてもOK *真珠や黒真珠の指輪

*光沢のないもの

*シルバー、ホワイトゴールド、プラチナなど銀色のもの

*デザインが派手でないもの

つけるのはNG *黄色い真珠の指輪

*ダイヤなど宝石のついた指輪(小さな石でもNG)

*ハーフエタニティの指輪(半周だけ宝石が施されたもの)

*ゴールド、ピンクゴールドなど金色系のもの

*光沢のある素材のもの

 

NGとされているものは、外していくことをおすすめします。

しかし、長年つけたままの結婚指輪などは簡単に外せないこともあるでしょう。そうした場合は無理をせずに、葬式用の黒レースの手袋などをはめるなどして隠すのがおすすめです。これは派手な色合いのネイルをしているのを隠す場合などにも効果的です。

イヤリングは正面から見て金具部分が見えないシンプルな物ならOK

真珠のネックレスには、イヤリングもセットで販売されているケースもありますが、葬式につけていく必要はありません。とくに和装の場合はつけるのは、マナー違反になります。

洋装の場合も耳から垂れ下がるデザインや金具部分が派手なデザインのものは避けましょう。耳に止めたとき、正面から見て金具部分が見えないものがおすすめです。

金具の色はシルバーやプラチナのように銀色のものが適しています。

ピアスは基本的に着用NGですが、真珠のピアスだけは例外です。真珠が1粒だけついていて、耳からぶら下がっていないデザインにしましょう。

長い髪をまとめるヘアアクセサリーは黒で装飾のないものならOK

髪の長い女性の場合、髪をまとめる必要があります。その際に使用するヘアアクセサリーについても目立つものは控えましょう。

ラインストーンなど派手な装飾がない、黒のバレッタやクリップなどがおすすめです。

目立つデザインの腕時計は外していくのがマナー

意外と忘れがちなのが腕時計です。
高級時計などデザインによっては宝石が埋め込まれているなど、指輪と同じくらいキラキラするものもあるでしょう。受付で記帳したり、焼香の時に見られることもあるため、注意が必要です。

目立つ時計は外し、別の時計をつけていったほうが無難です。シンプルな文字盤の腕時計を持っていない場合は、せめて葬式が終わるまで時計を外しておきましょう。今はスマホなど時間を確認する方法は他にもいろいろあります。

もし、これをきっかけに葬式でもつけていけるような時計を新調する場合は、次のようなポイントに注目して選ぶことをおすすめします。

*安すぎず、高級過ぎない腕時計
*ベルトは黒い革か銀色の金属で光沢控えめなもの
*文字盤は白か黒(ダイヤがついたものなどはNG)
*カジュアル過ぎない
*タフさが売りのアクティブタイプは避ける

葬式にブレスレットをつけていくのはNG

最近は数珠ブレスレットなどもありますが、葬式につけていくのはマナー違反になります。主目的が実用品である腕時計と違い、単なる装飾品になるためどのようなものでもNGです。

メガネは派手なフレームのものは避ける

腕時計と同様に意外と見落としがちなメガネ。
実用品ですが、フレームの色が派手なデザインは葬式に参列するには不向きです。

レンズは多少の色付きはOKですが、サングラスはNGです。

訃報を聞いてからお通夜まで時間が短い場合は真珠アクセサリーは不要

訃報を聞いてから時間が短い場合のお通夜などに参列する場合、喪服ではなく落ち着いた色調の平服で参列するケースもあります。

こうした場合、真珠のアクセサリーをつける必要はありません。訃報から数日空いたお通夜や告別式などに洋装の喪服を着て参列する場合は、真珠のネックレスなど葬式にふさわしいアクセサリーを身につけましょう。

法事の際もアクセサリーのマナーを守る

葬儀と同様に、法事の際もアクセサリーのマナーがあります。法事の際も、パールのネックレスか、なければオニキス、黒曜石を使用したネックレスを身に着けましょう。

また、ピアスはなるべく避けて、イヤリングを付けていくようにしましょう。

葬式に参列する際はアクセサリーのマナーを踏まえる

葬式に参列する場合、アクセサリーをつけるかどうか迷う人も多いのではないでしょうか。和装の喪服を着る場合はアクセサリーをつける必要はありません。むしろつけるのがマナー違反になるので注意しましょう。

洋装の喪服の場合は真珠のネックレスをつけるのが一般的ですが、ネックレスの長さや真珠の大きさや形など注意する点がいくつかあります。

真珠の色は白・グレー・黒で球の大きさは直径7~8㎜、形は真円に近いものにしましょう。ネックレスは必ず1連のもので、長さは40cm程度にしてください。

英国女王が弔いの席で身に着けたことから広まったジェットなど真珠以外につけてもOKな宝石やアクセサリーについても解説しました。

メガネや腕時計など実用品ではあっても、デザインによっては葬式で身に着けるにはふさわしくないものもあるので、注意が必要です。

もともと日本では葬式は何事も控えめにするのがよいという考え方が根強く、洋装でもアクセサリーは必要ないという考えを持つ人も多くいます。

そうした考え方は地域の風習や喪主側の気持ちによっても異なるため、心配な場合は身近な人に確認しておけば安心でしょう。

石野泰弘

記事監修者

株式会社京花代表の石野 泰弘。京花は板橋区を中心に、1都3県を中心に活動している葬儀社です。

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