お役立ちコラム
葬儀の数珠の色や種類、選び方などのマナーを紹介
更新日:2024年06月23日
葬儀マナー
葬儀に参加する際は、髪型、服装といったように見た目に関するマナーを守る必要があります。
ですが、葬儀における見た目のマナーは髪型、服装だけではありません。葬儀に欠かせない数珠にもマナーがあるのです。
今回は葬儀に参加する際に覚えておきたい、数珠の色や種類、そして選び方といったマナーを紹介します。
葬儀に参加する際は、髪型、服装といったように見た目に関するマナーを守る必要があります。
ですが、葬儀における見た目のマナーは髪型、服装だけではありません。葬儀に欠かせない数珠にもマナーがあるのです。
今回は葬儀に参加する際に覚えておきたい、数珠の色や種類、そして選び方といったマナーを紹介します。
この記事でわかること
目次
葬儀の数珠の色に決まりはない
数珠の素材は天然石や木など商品によって異なるため、素材によって色のバリエーションもたくさんあります。
普通、葬儀で使用する色は黒やグレーなどが基本ですが、数珠に関しては特に決まりはありません。
天然石であれば、紫やピンク、透明感のあるカラーなどがありますが、明るい色でも特に問題はないので自分の好みで選んで大丈夫です。
ただし、地域によっては数珠の色が決まっていることもあるので、しきたりが厳しい地方では確認しておきましょう。
葬儀の数珠の種類について
葬儀で使う数珠には、本式数珠と略式数珠の2種類があります。
それぞれに珠の数や数珠の持つ意味が異なるので、まずは本式数珠と略式数珠について理解しておきましょう。
正式な数珠となる本式数珠
本式数珠は、本連数珠とも呼ばれるもので、珠の数は煩悩の数と同じ108個あります。
108個もあるので、一連では長くなってしまうため2つの輪を作って二連にして使うのが一般的です。
本式数珠は宗派によって様式が違うので、宗派が決まっている方はその宗派の本式数珠を持つようにしましょう。
<浄土真宗の本式数珠の特徴>
浄土真宗の本式数珠は、蓮如結びといって念仏の回数が数えられない結び方になっているのが特徴です。
浄土真宗では煩悩があっても成仏できるという考え方なので、数珠で念仏の数を数える必要がないとされています。
<真言宗の本式数珠の特徴>
真言宗の本式数珠は振分数珠とも呼ばれていて、真言宗以外の宗派であっても日蓮宗以外であれば使うことができます。
この本式数珠の特徴は、房が付いている珠から数えて、7個目と21個に小さい珠が使われていることです。
この珠は四天と呼ばれるもので、念仏を唱える際に数を区切る仏教の宗法に則って付けられています。
<日蓮宗の本式数珠の特徴>
日蓮宗の本式数珠には装束数珠と勤行数珠がありますが、一般的には勤行数珠を使います。
勤行数珠は丸くまとまった房が付いていて、片方は2つ、もう片方には3つの房がついているのが特徴です。
日蓮宗では他の宗派と兼用できる本式数珠や略式数珠の使用は認められていないので、日蓮宗の方は必ず勤行数珠を用意しておきましょう。
<天台宗の本式数珠の特徴>
天台宗の本式数珠は、一般的に使われる丸い珠ではなく平珠といって楕円形の珠を使っているのが特徴です。
親玉には2つの房が付いていて、片方には10個の丸珠が付いていて、もう片方には楕円形の平珠が20個付いています。
本式数珠より珠の数が少ない略式数珠
略式数珠は、本式数珠よりも珠の数が少なく、108の半分となる54珠、3分の1となる36珠、4分の1となる27珠の3種類が主流です。
珠の数が少ない分、長さも短いので1連で使うことができます。
基本的に、略式数珠は宗派を選ばずに使えるので、宗派に適さない数珠を使ってしまいマナー違反になるということはありません。
ただし、男性の略式数珠は珠が大きく、女性用は小さい珠の略式数珠を選ぶのがマナーです。
葬儀の数珠の選び方のマナーについて
葬儀の数珠は、宗派に合っているものであれば特に厳しい決まりはありません。
といっても、細かいところでマナーがあるので、念のため確認しておきましょう。
数珠の種類の選び方にルールはない
数珠には本式数珠と略式数珠があり、本式数珠の方が珠数が多く「本式」という名称なので、こちらを選ぶのがマナーと思う方もいるかもしれません。
しかし、略式数珠だとマナー違反ということはなく、自分の好みに合わせて選んでも大丈夫です。
数珠の価格も、本式・略式に関わらず高いものから低価格のものまでいろいろありますが、低価格の数珠でも問題ないので無理のない予算で選んでください。
種類に関してはルールはないので、マナー違反になることはありません。
男性用か女性用かをきちんとチェックする
一見どれも同じように見える数珠ですが、男性用と女性用で分れているので、好みの数珠が見つかっても安易に購入しないようにしましょう。
男性の数珠のサイズは、18珠・20珠・22珠・27珠・54珠の5種類があり、珠数で表わされています。
一方、女性は6ミリ、7ミリ、8ミリというサイズで表わされています。
男性用は女性用よりも珠の数が大きく、女性用は珠のカットや房の色のバリエーションが多くおしゃれなデザインになっているのが特徴です。
また、女性用は珠が小さく、男性用は珠が大きいので大きさをチェックすると、どちら用かが分かります。
数珠の素材について
素材に関しても、選び方にマナーはなく自分の好みで選ぶことができます。
数珠の素材は、天然石と天然木の2種類がありますが、それぞれにいろいろな素材があるので、好みの数珠を見つける参考としてどういった素材があるかをチェックしておきましょう。
天然木の素材の種類をご紹介
天然木の数珠の素材をご紹介します。
- 白檀
- 黒檀
- 紫檀
- 柘植
- 屋久杉
- シャム柿
- 鉄刀木
- 正梅
- 菩提樹
- 沈香
天然木の数珠は、比較的扱いやすいので、保管管理が得意じゃないという方におすすめです。
上品な印象になるのは白檀や紫檀ですが、もし迷ってしまったらお釈迦様に縁が深い菩提樹を選ぶといいでしょう。
菩提樹は、使えば使うほど味が出てきますから、仏具として最適です。
天然石の素材の種類と石の意味について
天然石の場合、それぞれの石が持つ効果が期待できます。
数珠はお守りの役割も持っていますから、自分が求める効果の天然石を選ぶといいでしょう。
- 本水晶
本水晶は格式の高い天然石として有名ですが、危険から身を守り、災いを払ってくれるといわれています。
浄化作用も高いので、邪気を祓い身につけている人の邪念を祓う効果も期待できます。
- オニキス
魔除け効果が高いオニキスは、基本的に黒い色の珠なので葬儀用の数珠として適しています。
効果としては、魔除けや目的達成などに強く作用すると言われているので、昇進や結婚など達成したい願望がある方におすすめです。
- 翡翠
勾玉にも用いられていた翡翠は、王の象徴として高貴な石とされています。
昔から、あらゆる民族でお守りや魔除けに使われていて、富や長寿、健康をもたらす効果があるとされています。
古くは、社会的地位の高い死者とともに埋葬する石としても使われていたので数珠に適した素材と言えるでしょう。
- 琥珀
深いブラウンの中に混じる黒や黄色などの線が、落ち着いた印象を与える琥珀は、金運をアップする効果があると言われています。
また、健康への効果もあり体調不良の改善や癒やし、安産にも効果的です。
- ローズクォーツ
可愛らしい印象のピンク色をしたローズクォーツは、優しさや美、愛を象徴する天然石で、特に恋愛成就の効果が高いといわれています。
ただし、恋愛だけではなく思いやりを持てる心、攻撃性を抑えて優しい気持ちになるなど平和的な効果もあるので、故人を優しく偲びたいという方におすすめです。
- タイガーアイ
虎の目という名前から分かる通り、茶色をベースに金色や褐色が縞模様に入っているタイガーアイは強い行動力と冷静にものごとを見つめるという意味があります。
強い邪気祓いの力を持つとともに、金運の石という別名を持つほど仕事運や勝負運を強力に高めてくれる効果があると言われています。
天然石の数珠を選ぶ場合は、青や黒、紫などの房がきちんと付いている物を選んで、ファッションでつけるパワーストーンブレスレットとしっかり見分けがつくようにすることがマナーです。
数珠の扱いに関する注意点
葬儀の数珠は普段使うことがないので、どのように扱って良いか分からないという方もいるかもしれません。
しかし、うっかりやってしまうとマナー違反になってしまうこともあります。
知らなかったと言っても、葬儀の席でのマナー違反は社会人としてNGですから、数珠の扱いに関する注意点をチェックしておきましょう。
人と共有しないこと
訃報は突然やってくるものですから、数珠をどこに仕舞ったか忘れてしまっていたり、持っていなかったりすることもあるでしょう。
基本的に、数珠は葬儀で必要なものですから、無い場合は人に借りれば良いと思うかもしれません。
しかし、数珠というのはお守りの意味もありますし、仏様の功徳がある仏具です。
数珠は厳格なものですから、人に貸したり借りたりするのは絶対に止めましょう。
たとえすぐに使う予定がないとしても、数珠は葬儀や法事、お墓参りなどあらゆるシーンで使用するので、自分の数珠を準備しておくことがマナーです。
椅子や畳の上に置かない
お焼香の時や読経の間に、ちょっと数珠を置いてしまうということもあるかもしれませんが、数珠は神聖な仏具ですから、椅子や畳に直接置くのはマナー違反になります。
葬儀への参列経験が少ないと、数珠をうっかり置いてしまいがちですが、必ず仕舞うようにしてください。
男性であればジャケットのポケット、女性は数珠入れに入れてバッグの中に仕舞うということを覚えておきましょう。
パワーストーンの数珠は葬儀では使わない
最近人気のパワーストーンは、一見略式数珠と同じようなデザインに見えるので、葬儀用の数珠を持っていない場合は代用しても良いと思う方もいるでしょう。
しかし、パワーストーンはファッション性が高いため、葬儀には適していません。
特に、房の色が明るいものや金色の光る金具が使われているものを使うのはマナー違反になります。
葬儀ではおしゃれをするのは厳禁とされていますから、パワーストーンを弔事の席で使うのは止めてください。
火葬場でも数珠は必要
親族や特別親しい方の葬儀であれば、火葬場にも同行するのが一般的です。
あまり知られていませんが、火葬場でも数珠は必要になるので、忘れずに持っていきましょう。
数珠は火葬の前の読経で使います
火葬をする前には、納めの式という儀式があり、ここで僧侶に読経をしてもらいます。
読経時や合掌の時には数珠を使うのがマナーとなります。
納めの式は、本当に最後のお別れとなりますから、数珠は絶対に忘れないようにしましょう。
火葬で使う数珠の選び方について
火葬場で使う数珠は、基本的に葬儀と同じ物で構いません。
数珠は本式数珠と略式数珠がありますが、本式数珠は宗派によって形が異なるので、本式数珠を使うのであれば自分の宗派にあったものを選びましょう。
略式数珠の場合は宗派を問わず使えますから、特に宗派がない、もしくは宗派が分からないようであれば、略式数珠を使ってください。
葬儀は数珠のマナーも守って参加する
葬儀に参加する際に欠かせない数珠は、さまざまな素材があり、それぞれにそれぞれに謂れがあります。
また、男性用であれば18珠・20珠・22珠・27珠・54珠と、女性用であれば6ミリ、7ミリ、8ミリといったように、男女で分かれているため注意してください。
これら葬儀における数珠のマナーをしっかりと守って、参列するようにしましょう。
記事監修者
株式会社京花代表の石野 泰弘。京花は板橋区を中心に、1都3県を中心に活動している葬儀社です。
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