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お役立ちコラム

神道(神式)の葬儀でおさえておくべき流れやマナーをご紹介

2020/08/19

神式の葬儀

日本で執り行われるお葬式は仏式が大多数を占めますが、神式での葬儀も少なからず行われています。

仏式のお葬式を経験している人でも、神式のお葬式に参列しなければならなかったり、神式のお葬式を手配することになったりすると、マナーや進め方などがわからずに戸惑ってしまうことも少なくないでしょう。

神式のお葬式への参列や準備にあたって、事前におさえておくべきポイントやマナーを、仏式と神式の違いとともにまとめました。

神道は日本固有の宗教

インドから伝来した仏教に対して、神道は古来より日本に根付いてきた日本固有の宗教です。

神道と仏教は、神社仏閣などとひとくくりにされがちですが、両者にはさまざまな違いがあります。

神道と仏教は信仰対象の考え方が異なる

仏教には、お釈迦様や仏様、ブッダ、薬師如来など、特定の信仰対象があります。

それに対して、神道では特定の「神様」がいるわけではありません。「八百万の神」という言葉が表すように、あらゆるものに神様が宿っていると考えているのです。木や道端の石ころ、川などの自然物はもとより、家や道具などにもそれぞれの神様がいると考え、日ごろから敬う気持ちを持っています。また、日本各地にある天満宮に祭られている菅原道真をはじめとした人物や祖先も「神様」として信仰の対象となっています。

さらに、神道は、仏教をはじめとしたほかの宗教を否定したり排除したりすることなく、それらの信仰対象をも神道の「神様」の1人と考えます。日本人の懐の深さを感じさせる宗教だといえるでしょう。

なお、仏教では、教えを記録した「経典」がありますが、神道には経典というものは存在しません。

神道のお葬式の意味

神道のお葬式は「神葬祭(しんそうさい)」と呼ばれます。神道でのお葬式には、仏式のお葬式とは違った意味があります。

神道では「亡くなった人は氏神となる」と考える

仏教では、亡くなった人が三途の川を渡って極楽浄土に行けるように供養します。宗派によって「輪廻転生」という言葉のように生まれ変わりを信じたり、亡くなった人は仏さまになって安らかに暮らすなどと考えたりします。またキリスト教でも、人は亡くなると主の御許で安息を得ることができるとされています。

それに対して神道では、命とは神様に一時的に任せられたものと考えます。そして、任せられた命を神様に返すことを「死」と解釈します。命を返した後は、家を守る「氏神」となり、子孫を見守り続けると考えるのが、神式の死生観です。

つまり神式のお葬式は、故人を「あの世」に送り出す儀式ではなく、亡くなった人の魂を遺体から抜いて霊璽(れいじ:仏教での位牌と同じ)に移し、死の穢れを清め、家にとどまって子孫を守ってくれることを祈るという意味を持っています。

神道の葬儀は自宅や斎場で行う

近年、斎場でのお葬式が増えてきているとはいえ、昔から仏式のお葬式といえばお寺で行われるものでした。

これに対して、神道のお葬式は、神社で行うことはご法度とされています。なぜなら、神道では「死=穢れ」と考えられており、神社に持ち込むものではないとされているためです。

神様に命を返すことである「死」を穢れとする考え方には理由があります。穢れとは、気(生命力)が枯れることを意味する「気枯れ」に由来しているといわれます。この「気枯れ」状態になると、人はよくない行動をしてしまうため、神様に近づくことはタブーだとされています。そして「死」は遺された人を「気枯れ」の状態にしてしまうことから「死」そのものを「穢れ」として神様に近づけさせないという考えが生まれたようです。

このような理由から、神道でのお葬式は、斎場や自宅、その他の会場などを借りて行われます。

神道のお葬式「神葬祭」の流れ

神道の死生観が仏式の死生観とは異なるため、神道でのお葬式も、仏式のお葬式とは大きく異なります。ここでは、仏式のお葬式と比較して、神道のお葬式「神葬祭」の流れを9つに分けてご紹介します。

1. 帰幽奉告

訃報があると、まずは「帰幽奉告(きゆうほうこく)」を行います。これは、神棚や祖霊舎(それいしゃ:仏壇に相当するもの)に対して、故人の死を奉告するものです。このとき、神様に死の穢れが及ぶことのないよう、神棚や祖霊舎の扉をしっかりと閉じて、白い紙で封印します(神棚封じ)。

神棚封じは、忌明けとなる五十日祭が終わるまで継続しておきます。この間は、普段のお祀りは中止し、故人へのお祀りを行います。

2. 枕直しの儀

ご遺体を家に運んだ後は、ご遺体に白の小袖を着せ、北枕にして寝かせます。北枕とは頭を北の方角に向けて寝かせることです。北の方角に向けることが難しい場合は、部屋の上座の方向に頭を向けます。

ご遺体の顔を白い布で覆い、屏風を立て、死者を悪霊から守るとされる「守り刀」を置きます。また、近くに祭壇を設置し、遺影とともに米や酒、塩、水、故人の好物などを供えます。

3. 納棺の儀

枕直しの儀を行った後は、ご遺体を棺に納める納棺の儀を行います。ご遺体を棺に安置後、棺を閉め、その上から白い布で覆い、遺族で拝礼を行います。

拝礼は「柩前日供(きゅうぜんにっく)の儀」といい、祭壇にお供えをするとともに、二礼二拍手一礼を喪主、遺族、喪主の順に行います。そして最後に全員で拝礼をします。

4. 通夜祭・遷霊祭・直会

仏式での通夜と同じように、神式では「通夜祭」を行います。通夜祭では、故人の魂を遺体から抜く「遷霊祭(せんれいさい)」も行われます。

通夜祭では、まず参列者全員が「手水(ちょうず)の儀」を行った後、着席します。その後、雅楽が演奏されるなか、神職が祭詞(さいし)と祭文(さいもん)を唱えます。これは、仏式でいうところの「読経」にあたり、故人の安らかな眠りと、氏神として家と子孫を守ることを祈るものです。

同時に、喪主から順に、仏式の焼香にあたる「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」を行います。

引き続き、遷霊祭が行われます。これにより、故人の魂が遺体から抜かれ、仏式の位牌にあたる「霊璽(れいじ)」に移されます。遷霊祭は、「御霊移し(みたまうつし)」と呼ばれることもあります。

通夜祭が終了すると、仏式の「通夜ぶるまい」に相当する「直会(なおらい)」の席に移ります。弔問客へのねぎらいやお礼の意味があるため、参列者の立場の場合、時間が許せば参加しましょう。

「直会」では、「お清め」のためのお酒のほかは、仏式の「通夜ぶるまい」のようなメニューの制限はありません。ただし喪家には「穢れ」があるとされるため、喪家で調理したものは避けましょう。

5. 葬場祭

仏式の葬儀や告別式にあたるものが「葬場祭」です。通夜祭と同様に、参列者全員が「手水の儀」を行い、身を清めて参列します。

棺の前に設置された玉串案(玉串台)に進み出て、通夜祭と同様に「玉串奉奠」を行います。また、棺に花を入れたり、弔電が紹介されたり、喪主の挨拶が行われたりします。

6. 火葬祭

葬場祭がすべて終了すると、火葬場に移動します(出棺)。火葬場の炉前で行われるのが「火葬祭」です。神職が祭詞を唱えるなか、参列者が玉串をささげて拝礼します。

この火葬祭が終わると、遺体が火葬されます。

7. 埋葬祭

遺骨をお墓に納める儀式を「埋葬祭」といいます。火葬場からその日のうちにお墓へ埋葬する場合と、いったん自宅へ持ち帰って五十日祭で埋葬する場合があります。

埋葬祭では、故人の名前・職名などを記した旗である「銘旗」やお花を供えます。

8. 帰家祭・直会

火葬祭や埋葬祭を終えて自宅に戻った後は「帰家祭(きかさい)」を行います。帰家祭では、塩や水で手を清め、霊前に葬儀が終わったことを奉告します。これで、神葬祭のすべての儀式が終了したことになります。

その後、神職や参列者をねぎらう会食の場である「直会(なおらい)の儀」を開きます。

神葬式で押さえておきたい3つのマナー

これまでご紹介したように、神式のお葬式は仏式とはかなり異なります。ここでは、参列時に押さえておきたい神葬式での3つのマナーをご紹介します。

1. 神葬式では数珠を使わない

数珠は、もともと僧侶が読経をする際に身に着けるものです。そのため、神道では数珠は一切使用しません。間違って持って行かないようにしましょう。

また「供養」「成仏」「冥福」などは仏教用語です。神葬祭で「ご冥福をお祈りいたします」と言うのはふさわしくないため「御霊のご平安をお祈りいたします」とあいさつするのがよいでしょう。

2. 拍手は音を立てない

葬場祭では、拝礼として二礼二拍手一礼をします。このときの拍手は、音を立てずに手を叩く「忍手(しのびて)」で行います。神社で参拝するときのように、音を立てて手を叩かないよう注意しましょう。

3. 不祝儀袋の表書き

お通夜やお葬式に持参するものといえば「御香典」が浮かびますが、実はこれは仏教用語です。神式のお葬式に持参する不祝儀袋には「御榊料」「御玉串料」「御神前」「御霊前」などと書きます。

なお、蓮の絵の入った不祝儀袋は仏式用なので、神葬式には使わないように注意しましょう。

神道の葬儀には死生観を理解して参列しましょう

故人の魂を極楽浄土へ送る仏式のお葬式と異なり、神道のお葬式(神葬式)は故人の魂を氏神とする儀式として執り行われます。

また、死は穢れと考えるため、神社で神葬式が行われることはなく、さらに忌明けとなる五十日祭が終わるまでは神棚封じを行い、神社に参拝もしません。

神葬式を行う場合も、神葬式に参列する場合も、神道の死生観をしっかりと理解しておくことが、故人の魂に対する最大の礼儀だといえるでしょう。