お役立ちコラム
訃報連絡・葬儀のお知らせの基本マナーとメール・電話・手紙文例集
更新日:2024年06月23日
葬儀マナー
突然訪れる身近な人の死。遺族がやるべき手続きは多岐に渡りますが、その中でも最初にやるべきことは、親しい人やお世話になった人たちに「家族の死を伝えること」です。
この記事では、万が一の際に落ち着いて対処できるように、訃報連絡の方法、順番、伝えるべき内容など、例文を含めて詳しく解説していきます。
この記事でわかること
目次
訃報とは?葬儀の案内との違い
訃報(ふほう)とは、人が亡くなったことを故人と関わりのある方へ「伝える」ことを指します。
テレビや新聞などで、著名人の死を伝えることも訃報のひとつです。この記事では、主に家族や身近な人が亡くなった際に、遺族やそれに変わる方が行う「訃報連絡」についてご紹介しています。
「訃報」と「葬儀の案内」は厳密に言うと別のもので、葬儀の案内は日程や会場が決まってから出すものです。
多くの場合、親族など身近な方にはいち早く訃報を伝え、知人や職場関係者などには、葬儀の日程や会場などが決まったあと、訃報と合わせて葬儀の案内を行います。
また身内だけでの「家族葬」を行う場合は、葬儀が終わったあと、手紙などで訃報をお伝えすることもあります。
訃報・葬儀の案内で伝えておくべき内容
「訃報」と「葬儀の案内」で、それぞれ何を伝えておくべきか、具体的な内容をご紹介します。
訃報で伝えておくべき内容
亡くなったことが確定したあとは、まずはなるべく早めに、親族などの関わりの深い方へ訃報の連絡を入れます。近年では、葬儀社など自宅以外で通夜や葬儀を行うことが多いため、第一報の時点では日時などの調整ができていないことがあります。その場合、まずは下記の内容を伝えた上で、詳細が決まり次第追って葬儀案内の連絡をします。
・故人の名前
・亡くなった日
・死因・享年(※伝える必要があれば)
・喪主の名前
・連絡先
葬儀の案内で伝えておくべき内容
葬儀社との打ち合わせが終わり通夜や葬儀の詳細が決まったあとは、親族をはじめ、友人、知人、職場関係、学校関係、所属団体など、故人と関わりのあった方々に葬儀の案内をします。この際、まだ亡くなったことをお伝えできていない方へは、合わせて訃報連絡を行います。行き違いのないように、特に通夜や葬儀の日程、場所は正確に伝えるように気をつけましょう。
・故人の名前
・亡くなった日
・死因・享年(※伝える必要があれば)
※訃報連絡を済ませている方へは以下の項目から。
・喪主の名前
・連絡先
・通夜や葬儀の日程
・通夜や葬儀の場所
・宗教・宗派
家族葬や直葬(火葬のみ)など、身内だけでの葬儀を行う場合や、弔問客の制限などがある場合は、その旨をきちんとお伝えしましょう。また、香典、供花、供物などの辞退を希望する場合も同様に丁重にお伝えしましょう。
訃報の連絡をする順序
訃報の連絡は、一般的に下記のような順序で行います。
1.家族、親族、近親者
2.友人、知人
3.会社・職場関係者、学校関係者、所属団体の関係者など
4.隣近所、町内会、自治会など
まずは、家族、親族をはじめ、故人と関係の深かった方から順に訃報を伝えます。臨終に立ち会えなかった方の気持ちを考え、可能な限り早く連絡を入れるのが望ましいです。遠方の方へは移動の時間を考慮し、上記の優先順位を問わず早めに連絡を入れましょう。
近親者以外の方に、通夜や葬儀の詳細が決まってから訃報の連絡をすることは、失礼にはあたりません。逝去後、遺族は多くの手続きをこなさなければいけません。優先順位を考え落ち着いて連絡をしていきましょう。
自宅で葬儀を行う場合など、協力を依頼する必要がある場合は、隣近所、町内会、自治会へも連絡をします。
また、お付き合いのある菩提寺がある方は、僧侶のスケジュール調整などを考慮して、早めに連絡を入れておきましょう。
最近では、家族葬や直葬(火葬のみ)など、身内だけでの葬儀を行う場合、近親者以外には後日ハガキや手紙で報告することも増えています。
訃報・葬儀の案内の連絡方法
訃報を伝える方法は様々です。訃報の連絡手段に決まりはありませんが、なるべく早く確実に届けることが大切です。家族や身近な方が亡くなった時、深い悲しみの中で冷静に行動を起こすのは中々難しいものですが、慌てずに状況に応じた連絡方法を選びましょう。
以下でそれぞれの連絡方法について、後の項目でそのまま使える文例をご紹介します。
電話で訃報を伝える
最も早く、確実に伝えることができるのが「電話」です。親族や親しかった友人へ第一報を伝える際に適しています。メールやFAXなどでは、すぐに気がつかない場合もあるため、急ぎの連絡は電話でお伝えしましょう。
ただし、口頭で連絡事項を伝える際には、相手に間違いなく伝わるように注意しましょう。事前に伝える内容を準備しておくとスムーズです。
また前述のとおり、故人と関係の深かった方以外へは、通夜や葬儀の詳細が決まってからの連絡でも遅くはありません。亡くなった直後の慌ただしい中で、多くの人に電話連絡を入れるのは、遺族にとっても負担になる可能性があります。まずは優先的に連絡するべき人のリストを用意し、順番に伝えていきましょう。
仕事の都合などで電話が繋がりにくい方へは、他の方法でメッセージを残しておきましょう。
メール・ラインなどのSNSで訃報を伝える
メールやラインなどのSNSは、時間や場所を選ばず、素早くたくさんの人に連絡をすることができます。日頃メールやラインで連絡を取っている相手へは、普段と同じ方法で伝えるのが効率的です。
ただし、メールやラインで一斉送信をするのは、場合によっては失礼に当たります。特に、普段メールやラインを使い慣れていない方は、マナー違反と感じたり、連絡に気がつかない可能性もあります。メールやラインで訃報の連絡を入れる際は、相手の立場や状況を考慮して送りましょう。
FAXで訃報を伝える
高齢の方や耳が不自由な方など、電話では確実に情報が伝わらない可能性がある場合は、FAXを使うと安心です。
訃報を口頭で伝えたあとに、葬儀の会場や日時をお伝えする際も、メールを使わない方へはFAXを送ると確実です。手紙より早く送れるというメリットもあります。
また、町内会や自治会にFAXを送り、近所の方に訃報を伝えてもらうこともあります。
手紙で訃報を伝える
手紙は訃報を伝える正式な手段です。訃報を口頭で伝えたあとに、葬儀の会場や日時を改めて手紙で伝えたり、「死亡通知」として訃報と葬儀の案内を同時にお伝えします。
自分で用意することもできますが、葬儀社や印刷所に依頼すれば短時間〜1日程度で作成してもらうことができます。ただし他の連絡手段に比べると、相手に届くまでに時間がかかってしまうため、急ぎの場合には適していません。
家族葬などを行い、葬儀後に訃報をお伝えする際には、葬儀を無事に終えたことなどを記した「死亡通知・事後通知状」を送ることもあります。
新聞のお悔やみ欄で訃報を伝える
故人が社会的によく知られた方であったり、交際関係が幅広い場合は、新聞の「お悔やみ欄」に広告を出すこともあります。
新聞で訃報を伝える方法は「死亡広告」と「死亡記事」の2パターンがあります。
「死亡広告」は、葬儀社や新聞社に依頼をして有料で広告を出す方法です。料金相場は、地方紙で5〜10万円、全国紙で15〜25万円程です。
「死亡記事」は、役所や新聞社に掲載を依頼して広告を出す方法です。掲載料金はかかりませんが、掲載の有無は新聞社の判断となるため記事にならない可能性もあります。
訃報・葬儀の案内の連絡【文例集】
ここでは、電話、メール、手紙、FAXで訃報を伝える際の文例を、それぞれご紹介していきます。
電話で訃報を伝える文例
文例① 親族への場合(訃報連絡)
「(故人の名前)の長女の(自分の名前)です。以前から入院中だった母の(故人の名前)が今朝、亡くなりました。通夜や葬儀の詳細は、決まり次第ご連絡いたします。遺体は、いったん自宅へ連れて帰る予定です。何かありましたら私の携帯電話(電話番号)までご連絡くださいますようお願いします」
文例② 親族への場合(葬儀の案内)
「先日ご連絡しました母の件ですが、葬儀の詳細が決まりましたのでお電話いたしました。通夜は、〇〇の〇〇(葬儀場の場所と名前)で、〇日の〇時から行う予定です。葬儀は〇日の〇時から同じ場所で行います。仏式で執り行いたいと思います。喪主は私ですので、ご連絡をいただく際は私の携帯電話(電話番号)までお願いいたします」
文例③ 故人の交友関係への場合(葬儀の案内)
「突然お電話しまして、申し訳ありません。(故人の名前)の長男の(自分の名前)と申します。以前から入院中だった母の(故人の名前)が〇月〇月の夕方、亡くなりました。生前は、母が大変お世話になりありがとうございます。通夜を〇月〇日〇時から、葬儀を〇月〇日〇時から〇〇の〇〇(葬儀場の場所と名前)で行います。喪主は私ですので、ご連絡いただく際は、私の携帯電話(電話番号)までお願いいたします」
文例④ 故人の職場関係への場合(葬儀の案内)
「お世話になっております。〇〇課(故人の名前)の夫でございます。病気療養中の妻ですが、〇月〇月の早朝に亡くなりました。故人の生前の意志により、葬儀は家族だけで行う予定となっております。ご厚志につきましては、失礼ながら辞退申し上げます。みなさまにはご迷惑をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします。
メール・ラインで訃報を伝える文例
文例① 故人の交友関係への場合(葬儀の案内)
件名:【訃報】(故人の名前)逝去のお知らせ
本文:〇〇〇〇様
(故人の名前)の長女の(自分の名前)でございます。かねてより病気療養中でありました実父が、令和〇年〇月〇日に他界いたしました。
ここに生前のご厚誼に心より感謝し、謹んで通知申し上げます。なお、通夜ならびに葬儀は下記の通り仏式にて執り行います。お忙しいなかとは存じますが、父を見送っていただければと思います。
故 (故人の名前)儀 葬儀告別式
通夜:令和〇年〇月〇日(月)午後〇時より
葬儀告別式:令和〇年〇月〇日(火)午後〇時より〇時まで
場所:〇〇ホール(葬儀場の住所・電話番号)
仏式:浄土宗
喪主:(自分の名前)(長女)
連絡先:(電話・メールアドレスなど)
文例② 故人の職場関係への場合(訃報連絡)
件名:【訃報】(故人の名前)逝去のお知らせ
本文:〇〇課〇〇様
お世話になっております。〇〇課(故人の名前)の妻でございます。
病気療養中の夫(故人の名前)が、令和〇年〇月〇日に他界いたしました。ここに生前のご厚誼を深謝し、謹んで通知申し上げます。
なお、この度の葬儀は故人の生前の遺志により、家族葬として執り行うことにいたしました。一般参列、御香典、御供物、弔電などの御厚志につきましては、失礼ながら辞退とさせていただきます。恐れ入りますが何卒よろしくお願い申し上げます。
手紙・FAXで訃報を伝える文例
文例① 葬儀の案内
父(故人の名前)儀 令和〇年〇月〇日
〇〇歳を一期に永眠いたしました。
ここに生前のご厚情に深く感謝いたし 謹んでご通知申し上げます。
追って通夜ならびに葬儀は下記のとおり相営みます。
日時:通夜 令和〇年〇月〇日 (月)午後〇時〜
葬儀 令和〇年〇月〇日 (火)午後〇時〜〇時まで
式場:〇〇斎場(葬儀場の住所・電話番号)
仏式:浄土宗
喪主:(自分の名前)(長男)
令和〇年〇月〇日 (住所)
文例② 葬儀後に訃報を伝える手紙
母 (故人の名前)儀 天寿を全ういたし去る令和〇年〇月〇日〇〇歳の生涯を閉じました。
本来なら早速お知らせすべきところでございましたが、ご通知が遅れました事を深くお詫び申し上げます。
なお葬儀は令和〇年〇月〇日 身内のみにて相済ませました。亡母が生前に賜りましたご厚情に深く感謝申し上げるとともに、謹んでご通知申し上げます
令和〇年〇月〇日 (住所)(氏名)
まとめ
後悔のないお見送りを行うために、身近な方の訃報を「誰にどのタイミングで知らせるべきか」「またどのように伝えるべきか」事前に把握しておくと安心です。訃報の連絡や葬儀の案内をする際には、連絡先のリストと内容を整理し、慌てず落ち着いて伝えていきましょう。
記事監修者
株式会社京花代表の石野 泰弘。京花は板橋区を中心に、1都3県を中心に活動している葬儀社です。
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