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葬儀の引き出物とは?香典返しとの違いやマナーを解説

更新日:2024年06月23日

葬儀に関連する言葉で「引き出物」があります。

引き出物と言うと結婚式に参列した際に持ち帰るものというイメージが強いかもしれませんが、葬儀にも引き出物が存在します。

しかし、香典返しとの区別がついていない方も多いです。

どちらもお礼としてお渡しするものですが、意味合いが異なります。

そこで今回の記事では、葬儀に際する引き出物と香典返しの違いや、引き出物にふさわしい品物、お渡しするのに良いタイミングなどを詳しくご説明します。

この記事でわかること

 

葬儀の引き出物とは?香典返しと何が違う?

葬儀での引き出物とは、葬儀に参列してくださった方全員にお渡しするものです。

葬儀に来ていただいたことに対するお礼の気持ちを表すのに用いられます。

似たようなもので「香典返し」がありますが、こちらは引き出物とは違い、葬儀に参列いただいた方全員にお渡しするものではありません。

香典返しは、あくまでも香典をいただいた方のみにお返しするお礼です。

最近では葬儀社に依頼をすれば、葬儀の準備とともに引き出物を用意してくれるところも多くなってきています。

ちなみに、引き出物とは慶事に使う言葉であり、葬儀には使ってはならないという意見もあるため、その場合には「会葬御礼品」などと呼ぶことも。

ただし、古くは馬を庭に「引き出し」て贈ったという言い伝えもあり、弔事慶事関わらず、この馬の故事が用いられるようです。

引き出物の相場は?

そこで気になるのが引き出物の相場ですが、実はそれほどお高いものではありません。

一般的には300円~1,000円程度が相場とされています。

ただし、地域によってこの相場は多少前後しますので、事前のお付き合いのあるお寺などに確認しておくと安心できるかと思います。

引き出物にふさわしい品物

金額相場とともに気になるのが、「一体何をお渡しすればいいのか」といった点でしょう。

「引き出物にふさわしいものはこれ!」と、明確に決まっているわけではありませんが、一般的に多いのは、お茶や海苔、タオルなどでしょう。

ポイントとなるのは、「持ち帰りに楽なもの」「いくらあっても困らないもの」「すぐ使って(食べて)なくなるもの」「弔事にふさわしくないお酒や肉は避ける」などといったこと。

最近多くなってきているのは、もらう側が自由に選べるカタログギフトです。

葬儀の引き出物用のカタログギフトであれば、何をお渡しすれば良いのかあれこれ悩まずに済みますし、引き出物としてあまりふさわしくないものを用意してしまった、といった失敗も防げます。

ただし、お酒や肉も「カタログギフトから相手自身に選んでもらうのであればタブーにはならない」とされることが多く、より幅広い選択肢の中から相手に好きなものを選んでいただけるため、引き出物に悩んだときは、カタログギフトを検討してみても良いでしょう。

引き出物をお渡しするタイミングは?

引き出物をお渡しするタイミングは、結婚式などと同様です。

葬儀が終わって、参列者の方がお帰りになるときにお渡しします。

また、葬儀後の会食に参加される方にお渡しする場合は、会食が終わってからのお渡しが良いでしょう。

香典返しもお渡しする場合は、引き出物と同じタイミングでお渡ししてください。

引き出物をお渡しする際のマナー

それでは、引き出物をお渡しする際のマナーを確認していきましょう。

失礼のないよう、確実に実行できるように頭に入れておいてください。

のし紙をつける

葬儀の際に引き出物をお渡しする場合は、のし紙を必ずつけるようにしましょう。

品物だけをそのままお渡しするのはマナー違反

引き出物にかけるのし紙は、表書きとして「志」や「会葬御礼」などが使われることが多いです。

また、こちらも地域によって独自のものがある場合もあり、西日本では「粗供養」などが広く使われています。

水引きに関しても、色は黒白(関西などでは黄白)、結び方は結び切りか淡路結びが一般的です。

お礼状を添える

引き出物には、お礼状を添えることも忘れてはいけません。

内容としては、葬儀に参列いただいたことへのお礼、書面での挨拶になってしまうことへのお詫び、引き出物をお贈りする旨を記載しましょう。

もちろん、手書きでなくて構いません。

葬儀に参列してくださる人数分を手書きすることは物理的に不可能です。

こちらは特に独自性を持たせる必要はなく、葬儀社のほうでもテンプレートを用意している場合があります。

そちらのテンプレートを使用して作成する、もしくは葬儀社に一任してしまったほうが、かえって安心です。

引き出物と香典返しの違いを理解し、使い分けよう

引き出物と香典返しはどちらもお礼であるため、混同しがちです。

しかし、双方で持つ意味が違うため、お渡しする際は気をつけなければいけません。

引き出物は参列いただいた皆様へお渡しするものですが、香典返しは香典をいただいた方にだけお返しするもの。

参列いただいた方全員に香典返しをお渡ししてしまっては、相手を混乱させてしまうだけではなく、教養のない方だ、という印象を与えかねません。全員にお渡しして良いのは、あくまで引き出物。

また、引き出物をお渡しする際ののし紙やお礼状のルールも再度確認し、葬儀終了まで抜かりのない対応を心がけましょう。

石野泰弘

記事監修者

株式会社京花代表の石野 泰弘。京花は板橋区を中心に、1都3県を中心に活動している葬儀社です。

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