お役立ちコラム
葬儀に着ていくコートは黒?色や素材など注意すべき点を紹介
更新日:2024年06月23日
葬儀マナー
葬儀に参列する服装にはいろいろなマナーがありますが、もちろんコートにもマナーがあります。葬儀に着ていくコートは喪服のような規定はないものの、待ち時間や出棺時などはコートを着たままご親族や知人などと顔を合わせることになるので、マナー違反にならないように注意しましょう。ここでは、葬儀の際に着るコートについて詳しくご説明させていただきます。
この記事でわかること
目次
葬儀のコートは礼装用で代用できる
葬儀で着る服には、喪服という正装がありますが、コートに関しては葬儀専用のものはありません。だからといって、普段着ているコートを着ていってよいということではないので気をつけてください。
いくら葬儀専用のコートがなく、細かい決まりはないとしても、葬儀に着ていくのですから、守らなくてはいけないルールがあるのでしっかり覚えておきましょう。
葬儀専用ではありませんが、ブラックフォーマルに合わせられる礼装用コートはあります。礼装用コートはさまざまなシーンで着用できますし、祭式のルールを踏まえて作られていますから、どういったものを着ればいいか分からない場合は礼装用コートを着るといいでしょう。
ただし、礼装用コートでも光沢があったり取り外せない装飾が付いていたりするものだと、葬儀ではマナー違反となってしまうので気をつけてください。
葬儀にふさわしいコートの選び方
葬儀には、ふさわしい服装やふさわしい髪型があるように、コートも同様で、ふさわしいとされる色や素材などがあります。そのため、自己判断で着用するのは止めましょう。
ここでは、葬儀にふさわしいコートの基準をご紹介します。
もっとも適している色は黒
葬儀に着ていくコートの色で、もっとも適しているのは黒です。これに関してはほとんどの方が知っていると思いますが、葬儀で着るものや使う小物は黒が基本です。
ですので、スタンダードなデザインで黒い色のコートであれば、葬儀に着ていっても問題ありません。
黒がない場合はダークグレーかネイビーでも可能
もし、黒いコートを持っていないとしても、ダークグレーやネイビーのコートであれば、葬儀に着ていってもマナー違反にはなりません。
グレーやネイビーもないのであれば、カーキや濃いブラウン、キャメルなどでも、落ち着いた色味で黒に近い印象になる色ならぎりぎり大丈夫です。
ただし、明るめのグレーやネイビー、ダークグレーやネイビーでもチェック柄などの柄物はマナー違反になってしまいます。葬儀では、地味な色であっても明るめのものは適していません。また、柄物はハンカチでもNGですから、多くの人の目に触れるコートも色味に関わらず、柄が入っているものは着ないのが基本です。
原色やパステルカラーの明るい色のコートは葬儀には向かない
常識ですが、たとえファッション性がないベーシックなデザインであっても無地であっても、原色やパステルカラーなどのコートは絶対に着てはいけません。
もし、急な訃報でどうしても明るい色のコートしかない、買いに行く時間もないという場合は、葬儀場の最寄り駅のコインロッカーに預けるか、コートが入る大きめの紙袋を持参して、葬儀場に入る前にコートを脱いで袋に入れてクロークや受付けに預けましょう。
しかし、葬儀は祝い事ではないため、明るい色のものを身につけるのはNGです。
葬儀に適したコートの素材について
コートで重要なのは、色だけではありません。デザイン性のあるものがNGなのはもちろん、素材に関しても常識的な決まりがあります。
昔と比べると、そこまで厳しい目を向けられることはなくなってきていますが、葬儀で着る服の考え方の基本は遺族を不快な気持ちにさせないということです。
あまりにも常識外れだったり、マナーの基本が守れていなかったりすると不快な気持ちにさせてしまうので素材に関してもマナーを守りましょう。
具体的には、ナイロンやレースで出来たコートは着用しないようにしましょう。
ウールかカシミア素材が理想
葬儀に着るコートの素材で理想的なのは、ウールもしくはカシミアです。喪服でもいえることですが、準礼装では上質な素材のものを着るのが理想的です。
しかし、ウールやカシミアのコートとなるとかなり値が張るので、予算的に厳しいかもしれませんから、ウール混合やカシミア混合のものでも大丈夫です。
ダウンコートはカジュアルすぎなければOK
最近は、ビジネスシーンでもプライベートでも着られるダウンコートのほうが着回しがきくので、Pコートやチェスターコートなどは持っていないという方も増えています。
ダウンコートはデザインや素材によってはカジュアルな雰囲気になってしまいますが、スタンドカラーでフィット感のあるデザインであれば許容範囲になってきています。
もし、普通のコートを持っているのであればダウンコートはできる限り避けたほうがいいですが、持っていないようでしたらダウンコートを着ても問題ありません。
ただし、素材に光沢があったりベンチコートのようにスポーティなデザインだったりするものはNGなので、会場につく前に脱いでクロークや受付けに預けてください。
色に関わらずファー素材はNG
たとえ黒や黒に近い色のコートであっても、ファー素材を使っているものは絶対に葬儀に着ていかないでください。一般的に、ファーはフェイクのものが多いですが、本物でもフェイクでもファーは殺生を連想させる素材になるので葬儀にはNGです。
衿周りはもちろん、袖やポケットなどにファーを使っているコート、手袋やマフラーでもファー素材のものを身につけるのは控えましょう。
葬儀用コートを選ぶときの4つの注意点
葬儀に参列するときに備えて、事前にコートを用意しておこうと考えている方は、選ぶときの注意点をチェックしておきましょう。基本的に、フォーマルスーツを取り扱っているお店であれば、葬儀にふさわしいコートを購入できますが、普通のアパレルショップで選ぶ場合は注意が必要です。ここでは、選ぶときの注意点をご紹介するので参考にしてください。
1.殺生を連想させる素材は選ばない
結婚式などでは、毛皮のコートやファー素材のコートを着ることがありますが、葬儀では殺生を連想してしまうような素材は選ばないでください。
バッグや手袋、パンプスなどはもちろん、コートでも革素材やファー素材のものを着るのはマナー違反とされていますから気をつけてください。たとえ、チェスターコートなどシンプルなデザインであっても皮革素材のコートはNGです。
ちなみに、合皮やフェイクファーは人工ですが、最近のフェイクはクオリティが高く、見た目は本物か偽物か見分けが付きません。ですので、フェイクであっても着ないのがマナーです。
2.カジュアルな印象になるものは避ける
コートの印象は見る人によって違いますが、だからこそ気をつけたいのがカジュアルな印象になるものを選ばないことです。
カジュアルな印象を与えるデザインは、トレンチコートやフード付きのコート、もしくは、だぼっとしたオーバーサイズのものなどが挙げられます。素材でいうと、ナイロン素材やビニール素材が挙げられます。
これらの素材は、カジュアルというだけではなく、角度によっては光沢がでてしまうため、そもそも葬儀に適していません。
3.落ち着いた印象を与える長めの着丈が正解
葬儀に着ていけるコートを選ぶときに、うっかり忘れてしまいやすいのが着丈です。コートの着丈次第では、スタンダードなデザインでもカジュアルに見えてしまうことがあるので気をつけましょう。
ラフな印象を与えてしまうのは、腰ぐらいまでの着丈のコートです。短めのコートは動きやすいですが、葬儀では動きやすさよりも落ち着いた印象を与える服装が適していますから、できるだけ長めの着丈を選ぶようにしてください。
長いコートだと着回せない、という方は最低でも膝丈まであるコートを選びましょう。
4.目立つ装飾が付いていないものを選ぶ
コートは安いものではないので、葬儀以外でも着用できるものを選びたいかもしれませんが、いくら葬儀専用でないとしても装飾がついているものは選ばないようにしましょう。
特に注意したいのは、ボタンの色です。コートはボタンでおしゃれ感を出すデザインになっている商品が多く、コートの色と違ったり、金やシルバーなど光る素材のものが使われていたりします。
ボタンが派手だと、華美な印象を与えてしまうので葬儀には適していません。もちろん柄物ではなく無地であるのが基本で、コサージュやファー、フードなどの装飾が付いているのもNGです。
装飾が付いているものを選ぶ場合は、必ず取り外しができるかを確認してください。
装飾品が付いている場合は必ず取り外す
フードや金具が使われているベルトが付いていたり、袖口や襟元にファーやレースなどが付いていたりするコートは、必ず装飾品を取り外しておきましょう。
装飾品に関しては、どんなに上質な素材であってもコートと同色であっても、地味な色で光っていないとしても、付けたままで葬儀に行くのはマナー違反になります。
もし取り外しができないのであれば、地味な色のコートであれば大丈夫ですから、装飾品が付いていないコートを着ていくのがおすすめです。また、ボタンがコートの色と違う場合は、ボタンカバーを付けましょう。
コートがない場合の対処法
祝い事と違い、葬儀は十分な準備期間がないため、どうしてもコートが用意できない、という方もいるでしょう。寒い時期にコートを着ないで葬儀に参列してしまうと、風邪をひいたり具合が悪くなったりする可能性もあるので、普段着ているアウターで対処することになります。
ただし、色はできるだけ黒やネイビー、ダークグレーなど地味なものを選んでください。また、会場に着く前に脱ぐとしても、できるだけスタンダードでデザイン性のない上着にするのがマナーです。
葬儀会場の周辺で上着を預けられるところがあるか、事前のチェックも忘れないようにしてください。もし、預けられない場合は、上着が入るぐらいの紙袋を持参して会場に着く前に脱いで紙袋に入れておき、会場に着いたらクロークに預けましょう。
マフラーなどの小物はすべて黒で統一する
葬儀の時間帯や季節、地域によってはコートだけでは十分な防寒対策ができないこともあるかもしれません。そんなときには、マフラーをはじめ手袋やストールなど暖かさを確保できる小物を持っていきましょう。
ただし、小物であっても黒もしくはダークグレーやネイビーが基本です。マフラーに関しては、フリンジが長いものや装飾が付いているものはNGですし、手袋やストールに関しても飾りが付いているものは使わないようにしてください。
手袋で気をつけたいのは、革製のものは使わないことです。革製のものは殺生を連想させるため、葬儀ではマナー違反となります。また、女性の場合はマフラーだとカジュアルな印象になってしまうので、できれば黒一色で光沢のないストールで寒さ対策をしてください。
葬儀に着ていくコートは喪服マナーを参考に!
基本的に、寒い時期の葬儀は防寒対策が重要となるので、たとえばコートの色に関しては黒が用意できなかった場合、地味で落ち着いた色であればOKという地域も増えています。
そうはいっても、光る装飾品が付いている物や派手な色の物は着ないなど最低限のマナーは守らなくてはいけません。もし、ボタンや素材など細かい部分で分からないことがあれば、喪服マナーを参考にして場違いな服装にならないようにしましょう。
厳密なルールはないとしても、故人や遺族への配慮はとても大切なことですから、コートに関してもできる限りマナーに従って葬儀に参列してください。
記事監修者
株式会社京花代表の石野 泰弘。京花は板橋区を中心に、1都3県を中心に活動している葬儀社です。
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